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携帯ショップ(2)

何てことはない顔をして小用の便器を示し、販売員は横の洋式の便座へ向いた。
ノンケにとっては大したことではないのだろうか。
ずっと我慢していたこともあり、気にはなるが用を足すことにした。
暫くすると、カチャカチャとベルトを外す音が隣から聞こえ、目をやった。
スラックスと共に下着を膝上まで下げ、Yシャツを軽く捲り上げた販売員がそこにいた。
デロンとした太竿につい目がいってしまう。
ちらっとこちらを見た販売員と目が合い、気まずさを覚えて正面を向いた。
そうこうしていると用も足し終わり、ムスコをしまい込む。
隣では洋式トイレ特有の水音が、こちらの意識を駆り立てる様に響く。
「もう終わりました?」
「は…はい」
突如声を掛けられ、反射的に販売員の方を向く。
ちょうど出しきったタイミングで、ブルンブルンと縦に振られた太竿に目がいってしまう。
「いやぁ助かりました、接客中は中々トイレにいけなくて、ずっと我慢してたんです」
笑いながらそう話す販売員の顔に恥ずかしさは無く、意識し過ぎた自分が恥ずかしい。
「人とトイレ入ったの初めてです」
笑いながらそう答えると、販売員の口から意味深な言葉が出る。
「お客さんなら大丈夫だと思って」
「??」
客となら?…どういうことか良く解らず黙っていると、販売員が言葉を継ぐ。
「見慣れてるでしょ?」
軽く笑いながら出た言葉も良く解らずいると、スラックスに入れ直していたシャツを捲る。
「これ、見慣れてるでしょ?」
そう言って、履いていたボクサーパンツを下げ、さっきの太竿をまたデロンと出した。
「え?」
戸惑いながらも、目は釘付けになる。
「あれ?違ったかな…」
下着をずり下げ、太竿を出したまま、販売員が続ける。
「アプリ…入れてましたよね?」
その言葉に血の気が引く。
「こっちの人じゃなかったかな…すみません」
そう言って仕舞おうとする販売員の申し訳なさに、つい言葉が出る。
「あ…いや…」
その反応を見て、販売員がパっと笑顔になる。
「ですよね!?だったら見慣れてるでしょ?」
そう言われて、また太竿に目がいってしまった。

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