2ntブログ

記事一覧

職質(4)

タオルを奪うと、丁寧にめくり、中に潜んでいた物体を見付けた。
「これ…性的なおもちゃですよね?」
「は…はい…」
「えと、何にお使いでしょう?」

そう聞かれ、言葉に詰まる。
発展公園でアナニーをしていた、と答えるべきか。
それとも、誤魔化すべきか。
しかし、下手に誤魔化して痴漢扱いされても困る。

悩んでいると、警察官が質問する。
「えーと、恋人かご夫婦間でお使いなんですかね?」
「いや…その…」
ただ無言で返答を待つ警察官。
「あの…自分で…」
どうしようもなく、素直に答える。

「自分で?これを?」
手に持ったディルドを顔に向けられ、警察官に訊ねられる。
「は…はい…」
「えっと、ちょっといいですか、男性ですよね?」
「は…はい…」
「最近、この辺で痴漢等が多く出ているので、発言に不可解な点があれば…」
警察官の言葉に鼓動が高鳴り、緊張感が再び高まる。
「任意でではありますが、一緒にお越しいただく必要があるかもしれません」
完全に頭は混乱している、任意同行…、確かに警察官からすれば理解不能だろう。

やむを得ない、と素直に説明することにした。
あいにく、アナニーも、ディルドを持ち歩くのも、それだけなら犯罪ではない。
下手に痴漢の汚名を着せられ、冤罪で逮捕されるよりはマシだ。

「…あの…そこの公園のトイレでしてました」
「?そこの公園で?自分でこれを?」
改めてディルドを顔の前に近付けられ、訊ねられた。
「はい…」
「そうですか、申し訳ないですが、ご一緒していだけますか?」

コメント

コメントの投稿

非公開コメント