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医者と患者(4)

ゆっくり、そして丁寧に撫でられる快感にひたすら耐える。
順に中を這っていく指に、全神経が集中する。
このまま本能をさらけ出したい欲望にかられるが、ただじっと我慢していた。

「痛くないですか?」
「はい…」
同じ轍は踏めない、言葉少なげに答える。
「前に反応のあった、ここはどうですか?」
「はい…」
「大丈夫ですか?」
「はい…」
それ以上答えるのは危険だと自分でも分かった。

身体は既に熱くなっており、前回同様、前はガチガチに反応している。

「じゃあ、もう少し強めにしてみましょう」
そう言うと同時に指が引き抜かれたかと思うと、また指が挿れられる。

「んん…」
抜かれたと安心したところに入ってきた2本の指に、思わず声が漏れる。
増やされた指は、1本ですら堪らない場所をグリグリと這って来る。

「んんん…」
声を押し殺すどころか、腰が浮き上がる。
見えないからこそ集中している意識の先が執拗に激しく攻められる。

「んあ…」
這って来る指に、思わず声が漏れた。

「痛いですか?」
擦りながら訊ねて来る。

「い…いえ…」
一言絞り出すのが精一杯。
それでなくても感じやすい体質。
1週間自分の指以外挿れていなかったところに、この快感。

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