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トレッキング(2)

危ない、危ないと、理性を働かせながら用を足し、先にトイレを出た。

空は青く、太陽光の眩しさで爽やかさを通り越して、全てが輝いて見える。
だが、その威力は凄まじく、汗が噴き出るのに時間は掛からなかった。

そうこうしていると用を足した彼がトイレから出て来た。
「お待たせしました、参りましょうか」
そう言うと、半島の入口まで進み、グングンと先へ進む。
その後ろを付いて、木々の中へと歩みを進めた。

思いの外、涼しく感じるのは、木々に覆われているからだろう。
照りつける太陽光から守る様に、左右の木々が道を丸く覆いつくしていた。

歩きなれない道ということもあり、足下につい目が行ってしまう。
舗装されているでもない道を進むと、東屋が見えた。
「休憩は大丈夫ですか?」
彼が顔を覗き込む様に目を合わせ、聞いて来た。
歩くのに精一杯でもあったせいで驚いたが、余裕があることを伝えると、先へ急いだ。
あまりのんびりしていると暑さは増すばかり。
だが、陽射しが強い今だからこそ、景色が一層際立つらしい。
そんな彼の解説を聞きながら進むと、上り道の傾斜もキツくなり、いつしか階段になった。
一歩一歩と歩みを進める中で、自然と目に入る彼のふくらはぎ。
その一歩一歩に筋肉が呼応し、その固さと力強さを物語る。

先程トイレで見た彼自身を思い出し、股間に熱が籠もった。
力がみなぎると、このふくらはぎの様に固く雄々しくなるのだろうか。
そんなことを考えていると、つい足を滑らす。
「大丈夫ですかっ!?」
少し驚いた様子の彼が手を貸してくれ、立ち上がると、心配そうに見やる。
「疲れもあると思うので、もう少し距離を縮めて進みましょう」
そう言うと、何かあった時に掴めるよう、彼の真後ろを歩く様に言われた。

道は徐々に険しくなり、左右共に断崖となっている。
左右に目を奪われがちではあるが、気付けば至近距離の彼の臀部を見ながら歩いていた。

歩く度にきゅっっと筋肉が収縮するその仕草がなぜか厭らしい。

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