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後部座席(1)

くちゅくちゅくちゅくちゅ…。
逞しく屹立した若棒は、自らの華奢な掌の中で卑猥な音を立てている様に見えた。
手は激しく動きながらも、当人の視線はブレることなく一点を見つめている。
一定のリズムで動き続けるも、我慢の限界なのか強く肉棒を握りしめたまま動きが止まる。
そしてまた少しすると、一定のリズムで動き出す、その繰り返しだった。

それでも当人の視線は、未だブレることなく一点を見定めている。
やがて一気に動きが早くなるとその屹立した若棒にタオルが掛けられた。
暫くすると、タオルと若棒をしまい、何事も無かったかの様に席を立った。

*****

最終バスで終点へと向かう時に、いつも最後部の席に20代半ば頃の若い男が乗車している。
最初は特に気にもならなかったが、ふと目線をミラーにやると目が合って驚いた。
それはどのタイミングでも同様で、じっとこちらを見ている様に感じた。

最終バスに気持ち悪いやつがいると、同僚に話すと、どうやら毎日ではないらしい。
いつか刺されるのかと不安に感じるも、特に何事も無く最終バスを降りていく。
終点は特に何も無く、役所の施設があるのみだが、平日の夜には既に閉まっている。
そのため、普段、最終バスに乗客はいなかったのだが、ここ最近はずっとこうだ。

男は下車する際に特に何を言うでも、目を合わせるでもなく、ただ無言で料金を払うのみ。
こんな時間にこんなところで何をするのか不思議に思う日々だった。
が、先日ジッとこちらを見ながら何かをしている素振りを感じ、スマホを設置してみた。
するとそこに映っていたのは、男の痴態だったのだ。

誰もいない夜の最終バスの最後尾、男はファスナーを下ろすと若棒を取り出し、扱いた。
それはそれは逞しく、握った拳の先に猛々しい亀頭が見え、右手でその太竿が扱かれる。
完全に脱ぎ切っている訳では無いことを考えると、立派なそれは、男の手の中で暴れている。

露出癖とはまた違った性癖なのだろうか。
こんなことをいつもやっていたのだろうか。
頭の中を様々な疑問が浮かんでは消えていく。

そして暫く考えた後、今度思い切ってコンタクトを取る決意を固めた。
運転手としてのプロ意識からでもあるが、それ以上の好奇心と期待感は否めなかった。

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