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公園(1)

陽射しも良く、温かい。
平日の昼間に公園でぼーっとしてられるなんて、なんて幸せなんだろう。
出張翌日、久しぶりの平日休暇。
特に行く先も無く買い物でも行こうかとフラフラと歩いていて見つけた公園。
いつもは横を通り過ぎるだけで、足を踏み入れたことは1度も無かった。
かれこれ30分も座っていると、脳も休まったのか、無意識に行き交う人を目が追う。
昼間の公園は、こうも人がいるのか。
子ども連れの主婦が3組くらいかと思っていたら、年配層を中心にそれなりに人がいる。
ついつい目線の先は、50~60代の男性ばかりになる。
人だと認識した後の選別は早く、子どもや女性だと直ちに次へと移る。
また、男性だとしても、若いと次へ。
そうして男性→年配→顔→股間を辿り、最後まで行きついた人をじっと見つめる。
陽射しが温かく、ぼーっとした中で視覚的にも幸せを感じられた。

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早期退職をし、意外とやることもない日々。
身体がなまってもいけないと、朝は必ず外に出ようと決めている。
特に運動するでもないが、公園に立ち寄り、しばらく過ごす。
この先の自分を見ているかの様な錯覚に陥ることも無くはない。
反面教師とも言うべき諸先輩方を見て、今の自分を律した。

ベンチを立ち、家にでも帰ろうか、それともどこか行こうかと考えながら歩く。
頭の中では様々なことを考えつつも、目は行き交う男を物色している。
抜けない癖だ。
特にきょろきょろとするでもないが、今時間帯は大体が年上。
特に惹かれるでもなく目線を前に向け歩き出した。
公園の外にでも出ようと歩いていると、脇にあるベンチにいる男がこちらを見ている。
特に周りに人はいない、移動するオレを追う様に視線は動いている。
すると、下がっていた視線が上がり、目があった。
急に眼を逸らすのもなんだかバツが悪いと思い見ていると、相手も目線を外さない。
気になって、声を掛けてみた。

「なんや兄ちゃん、なんか用か?」

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